園長 東 晴也
81回目の終戦の日を迎えました。
私は、日々の保育、園児の皆さんの育ちについて、考えることが多くあります。と同時に、当然この子どもたちがこれから10年、20年先まで、どんな生き方をするのか、その育ちの環境はどうあってほしいのかを考えます。
「その子どもの3歳から5歳までのことは考えるが、それ以降のことは知らない」と、私は考えたくない人間です。(だから、ひかり幼稚園では、わざわざ卒園児が小学校を卒業した時に、卒業を祝う会を毎年開いているのだと思うのです。)
日本国憲法の前文に「平和を愛する諸国民」という言葉があるのをご存じですか。私はこの言葉が好きです。英語ではpeace-loving peoplesと訳すそうです。
日本は敗戦後、大きく国のかたちを変えました。その1つが平和主義(戦争放棄)です。これが成立するためには、日々の外交努力と徹底した国際協調が必要で、他国との信頼関係の構築への努力なしに実現できるものではありません。これは日本国憲法自身が言うように「崇高な理想」でしかないかもしれません。でも、「理想や夢や目標をもちましょう」と児童生徒に求めるのが、学校というものです。
子どもたちがけんかしたり、もめごとになったりすると、先生(大人)が間に入り仲裁(仲介)します。それは言葉が未発達な子どもたちに代わって、
「○○ちゃんが言いたかった(したかった)ことは、こういうことだよね」と、丁寧に代弁することで、子どもの思いが正確に伝わり、それは誤解だった、思い違いだった、私もわるかったかもということが分かり、互いに悪口言ったり、押したりしたことに対して、
「ごめんね」「いいよ」と、仲直りすることができるのです。
このように幼稚園(学校)では、何ごとかで対立した子ども同士に仲直りを求めます。対立してしまった他者との和平実現の試みです。そのためには、前述のような対話が必要です。相手の思いを聞き、自らの思いを述べる。この徹した対話によって双方の合意点を見出していく作業は、気の遠くなる作業です。しかし、このことが、このことこそが平和の実現への道だと思うのです。
その力の育成のために、文部科学省は『幼稚園教育要領』の中で、幼児期に育みたい資質・能力の領域として「人間関係」をあげています。
これはどう考えても敵(存立危機事態)だと断定することは簡単です。そうなってしまいそうな他者との忍耐強い対話、それを為していくことができる若者を育てたい。そのための幼児教育でもあると私は思うのです。(2026.8.15)
*「『園長!』の写真日記」は、ひかり幼稚園在園児及びそのご家族を念頭に、その日にあった出来事を写真と共に振り返りつつ、執筆するものです。




