園長、大学生になる

狭山ひかり幼稚園

園長  東 晴也

あの、たいへん申し上げにくいのですが、私(園長)、大学生になりました!
現在、都内の某大学教育学部に在籍しています。ただ、通常の学期中は、幼稚園の業務が当然あって通学できないので、夏休み中のスクーリングに参加させていただきました。今後は、課題のテキストを読んで、レポートを書きます!

実に、数十年ぶりの大学生活です。学んでいるのは、もちろん幼児教育です。今まで、ひかり幼稚園で、先生方と共に働かせていただき、先生方の使う「幼児教育用語」の意味が分からなくて、霧の中を手探りで歩いていたような感覚から、少しずつその霧が晴れていくような知的発見の新鮮な感覚があります。
「あー、こういうことだったのか」と。

埼玉県教育委員会からは、
「園長は、教師ではないので教員免許は必要ありません」
と、言われてはいました。実際、園内で園児や保護者に関わることなく、経営のことだけを考えていればそれでいいのかもしれません。(もしかしたらそういう園長もいらっしゃるのでしょうか?)しかし、普通、園内にいれば、園児や保護者に関わらざるを得ないです。その関り方は、教育的な関り方以外にはありえないというのが、私の実感です。しかも、それを特にこのひかり幼稚園では期待されているような気がするのです。であるならば、これまでの高校教員の経験と感覚だけでは限界があり、幼児教育を学び始めなければというのが、私の正直な思いです。

この猛暑の夏、10日間、大学に通い朝9時から夕方6時まで、一日中講義や演習、模擬授業をするのはしんどかったです。でも、多くの学びと発見があり、先生方や若い同級生との新鮮な出会いもありました。

課題の模擬授業を同じグループの誰もやりたがらなくて、「健康」の領域について25分の模擬授業を私が担当した後、20歳くらいの若い学生が、
「東さん、授業めっちゃ上手いですね!」と言われました。(そりゃ長年教師していればね……。)久しぶりに授業をする感覚が新鮮でした。

今の私は、保護者の皆さまから見れば、何も変わらないいつもの園長にしか見えないと思います。でも、私の中では大きな一歩を踏み出し、以前とは「違う私」となった夏になりました。この秋、園児の皆さんに負けないようにチャレンジします。(2025.8.30)

 

*「『園長!』の写真日記」は、ひかり幼稚園在園児及びそのご家族を念頭に、その日にあった出来事を写真と共に振り返りつつ、執筆するものです。